カワミ マコト   KAWAMI Makoto
  河見 誠
   所属   青山学院大学  コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間科学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2002/12
形態種別 大学・研究所等紀要
標題 「『新しい市民社会』の法哲学を求めて-共和主義的法理論、再帰的政治理論からcompassionとしての自然法論へ-」
執筆形態 単独
掲載誌名 『青山学院女子短期大学紀要』(青山学院女子短期大学)
巻・号・頁 第56輯,105-128頁
概要 1990年代以降、市場社会とは異なった意味での「新しい市民社会」に注目が寄せられている。それでは、この「新しい市民社会」において法が果たす役割はどのようなものであろうか。法こそが新しい市民社会におけるコミュニケーションを可能にすると共に活性化させるのだ、と主張する「共和主義」に対し、E・A・クリストドゥリディスは、法は政治を貧困にし、多くの人々の(苦悶の)声を排除してしまう、と批判する。その代わりに彼は、政治と人間活動を活性化していく「再帰的政治理論」を提示する。しかし、それは「passion」(情念)基底的人間関係を前提とするため、その目的とする「自由に論争し続ける」可能性を逆に閉ざしてしまう恐れがある。本稿は、「共和主義」でも「再帰的政治理論」でもなく、「compassion」(共苦)基底的人間関係に基づいた「compassionとしての自然法論」こそが、「新しい市民社会」の法哲学たりうることを主張する。