ツジ ヨシヒロ   TSUJI Yoshihiro
  辻 吉祥
   所属   青山学院大学  コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間科学科
   職種   准教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2011/02
形態種別 学術雑誌
標題 芥川龍之介『河童』論――異界への迷走と産児制限、家族制度の壊乱
執筆形態 単独
掲載誌名 『社会文学』(日本社会文学会・不二出版)
巻・号・頁 (33),191-204頁
概要 従来、単に典拠を書き換えた表面的風刺ないし作家個人の心象風景とのみ還元的に論じられてきたその作品の内実について、作中の資本制批判と人口論、産児制限運動が貧困問題を基軸に深く連関した必然性のある問題圏を構成していたことを、山本宣治ほかの同時代資料から論証、統一的な読解の視座を提示し得ている。出産、遺伝、家族、恋愛が自然性に基づくのではない生政治(M・フーコー)的観点から見直され、従来の研究史も「告白か社会小説か」の『破戒』論を踏襲するに過ぎないものとしてメタコメンタリー(F・ジェイムソン)の観点から看破されている。