カワミ マコト
KAWAMI Makoto
河見 誠 所属 青山学院大学 コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間科学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2011/11 |
形態種別 | 学術雑誌 |
標題 | 「自由意志と行為-脳科学から行為論へ」 |
執筆形態 | 単独 |
掲載誌名 | 『法の理論30』(成文堂) |
巻・号・頁 | 193-213頁 |
概要 | 人間の行為は自由意志に基づくか、それとも決定されているのか。この問いは法学では特に刑法領域において「非決定論と決定論」の対立として議論されてきたものである。これに対し、1980年代に脳神経科学から「決定論」に軍配を上げることへの、決定的とも見える知見が提示された。これに対する様々な反論を、リベットの前提する自由意志「観」に踏み込んだものであるか否か、という観点から検討する。そのことを通して、リベットの実験は、必ずしも決定論を決定的に根拠づけるわけではなく、さらに、自由意志の単純な肯定否定よりもむしろ、より広い人間論的レベルに基づく自由意志「観」の問い直しを我々に求める契機となる、ということを提示する。20世紀に大きく発展した脳科学は、その到達点のピークで、西洋近代文化が追求してきた自然秩序からの意志と人間の理解の限界に向き合わざるを得ず、その中で示唆される人間固有の行為秩序から自由意志理解が、21世紀の法と社会を作り上げていく前提になることを論じる。 |