カワミ マコト
KAWAMI Makoto
河見 誠 所属 青山学院大学 コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間科学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2010/12 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | 「脳死・臓器移植をめぐる公共的議論と法の役割」 |
執筆形態 | 単独 |
掲載誌名 | 青山学院女子短期大学紀要 |
巻・号・頁 | 1-13頁 |
概要 | 臓器移植法は2009年、12年を経てようやく改正にこぎつけた。しかし、結局法成立時と同様、脳死と臓器移植に関する根本的なレベルにおける「公共的議論」(「脳死は人の死か」「法的に人の死と認めてよいか」「脳死者からの臓器移植を(法的に)認めてよいか」)が展開されることはほとんどなくあっという間に通過していった。もっとも、改正法の登場から「公共的議論」につなげていくことも可能であるかも知れない。それは改正法が提示している議論の方向性を見定めることから始まる。本稿ではまずこの改正法の方向性について検討する。そしてその方向性に問題がある理由は、改正法が三方あるうちの一方の要請に力点を置くものとなっていて公共的議論を支える性格を有していない点にあることを指摘するとともに、そのことがもたらす深刻な矛盾を明らかにする。最後に、その矛盾を解決し、公共的議論を回復するためには、日本の法文化と人格観にまで立ち戻った法的議論が求められる、ということを論じる。 |