カワミ マコト
KAWAMI Makoto
河見 誠 所属 青山学院大学 コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間科学科 職種 教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2000/12 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | 「苦痛と苦悩と安楽死-重度の身体障害者ケリー・ナイルズの事例を手がかりに-」 |
執筆形態 | 単独 |
掲載誌名 | 『青山学院女子短期大学紀要』(青山学院女子短期大学) |
巻・号・頁 | 第54輯,93-115頁 |
概要 | 積極的安楽死容認の立場においても、「肉体的」激痛がある場合にのみに限定されるのが一般的である。しかし、なぜ精神的苦痛による安楽死は認められないのか。本稿では、安楽死を求める重度の身体障害者ケリー・ナイルズのケースを題材にし、「滑りやすい坂」理論では、その様なケースの禁止は根拠づけられないことを示す。結局安楽死においては、「人間的苦悩」といういわば精神的側面が問題となっているのであるが、しかしそのことは精神的苦痛を安楽死の要件にしてよいということではなく、むしろ「苦悩」を通して人格的成長の可能性がある限り、安楽死は認められないという帰結に至るであろう。「人格」という側面から議論を進めていくとき、絶対的に安楽死を認めないというわけではないが肉体的激痛のケースに限る、という常識的な結論を堅持できる、ということを論じた。 |